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クロマチックカリンバ

POLONについて


いきさつ

カリンバの音に惹かれ、自分でも製作し始めた頃から、常々思っていた事があります。

  「ドレミの音階と全部の半音のついたカリンバで
           自分の知ってる曲が自由に弾けたら良いのにな」

はじめは簡単だと思っていました。カリンバのキーを端から端まで半音階に並べれば良いだろうと考えたのです。 しかし作ってみると思っていた様な奇麗な音は出ませんでした。一つの音を弾くと、となりの音までなぜか一緒に鳴ってしまい、弾いた音が濁って聞き取りにくくなってしまうのでした。思えばこれがクロマチックカリンバの開発の第一歩でした。(クロマチックというのは半音階という意味です。)それから数年に渡り様々の試作品を作りましたが、なかなか上手くいきませんでした。

やっと、濁らない音のきっかけをつかみ、完成したのが2006年に発表したクロマチックカリンバでした。厚くて丈夫な板に、キーを一本ごとに独立したパーツで取り付ける方法を思いつきました。とにかくなんでも試してやろうと思って作ったものがたまたま奇麗な音でした。それを共鳴箱に並べて取り付ける事で3オクターブの音域を実現しました。試行錯誤をしながらの製作過程は1年間かかりました。この楽器のためのオリジナルの金属部品なども自作しなければなりませんでした。

その後、たくさんの出会いに恵まれて、この楽器での演奏活動を始める事が出来、たくさんの発表の場を頂きました。 演奏しながら改善点を蓄積し、2年後の2008年にしずくちゃんの手によって2台目のクロマチックカリンバ、しずくちゃん号が完成。音量、音域が増え、演奏技術も向上し、この楽器の可能性をさらに感じる様になりました。そして2010年7月、ついに市販モデルを発表するに至りました。

初めて手にする方が出来るだけ音を楽しみ、そして保守しやすいように、楽器の作りには考えられる限りの吟味をしました。また、製作過程の見直しや治具・工具の工夫で製作期間を最短6ヶ月まで縮める事が出来ました。

POLONというのは、ここで紹介するクロマチックカリンバのモデル名です。楽器の音色を言葉で表したのと、末永く可愛がって欲しいので親しみやすさをかねてそう名付けました。 このページではPOLONについてさまざまの面を出来るだけくわしくお伝えする事を目指しました。お楽しみ頂ければ幸いです。まだ出来上がって間もない楽器ではありますが、この楽器の音を聴いてみたい、あるいは弾いてみたいという人が増えれば、この上ない喜びです。


特長

サイズ幅72×奥行き29×高さ20(センチメートル)
重量約5キログラム
音域 F2〜F6
材質振動体(本体:ナラ、小パーツ:ローズウッド・黒檀・ツゲ)
共鳴箱(響板:スプルース、側板と底板:ナラまたはタモ)
※材料は変更になる事があります。
キー(ピアノ線)その他金属部品(ステンレス、中炭素鋼など)
仕上げくるみオイル仕上げ(木部)

カリンバはアフリカ各地に見られる民族楽器の一つで、国によっても形も音色も様々ですが、音を鳴らす原理がオルゴールと似ており、突き出した棒を振動させて音を出します。ピアノやバイオリンの様なホール中に響くほどの大きな音は出ませんが、耳をそばだてて聴く楽しみを発見出来ると思います。 クロマチックカリンバと従来のカリンバの大まかな違いは、構造と演奏法の2つが挙げられます。

カリンバは普通、一組のパーツ(枕木、押さえ棒、駒)にたくさんのキーがまとめて取り付けてあります。しかしクロマチックカリンバでは、キー毎に取り付けパーツを用意してあります。

 
図左が一般的なカリンバのキーの留め方。右が初めて作ったクロマチック。

一般的なタイプのカリンバには、小さな領域にたくさんの音を詰める事ができる・少ない部品数で作れる等の利点があります。クロマチックの様にキーを独立して固定する場合、となりあった音の影響を緩和できる・キー毎の独立した配置や手入れできる等の利点があります。その代わりに、部品が増えるため大型・複雑化し、キー間隔も広がります。

これによって両手で楽器を抱えて親指でキーをはじく、という演奏スタイルをやめることにしました。それで、膝や床や机の上に楽器を置いて手のひらを下にし弾くスタイルになりました。ピアノを弾く構えに似ていますが、手の構造的に親指では弾きにくく、親指以外の両手8本の指を使います。

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